嘘のようで本当のはなし。以前お客様が大手カー用品店でオイル交換を行いました。するとエンジン警告灯が点灯、しばらくするとエンジンも停止する羽目に
早速お預かりしましたが、当然のことながらオイル交換と諸症状の関連性を疑う事などありません。しかしオイル量を確認した私は目を疑いました
なんとオイルゲージのアッパーレベルをはるかに超えた量が注入されてます。そこで興味津々の私は作業明細に目を通すと驚きの事実が判明・・
本来この車のオイル量は5リットルですが、なんと8リットルものオイルが詰め込まれておりました。通常オイル交換のあとはレベルゲージで容量を確認するのが鉄則です。
しかもプロが基本作業を怠るとは思えませんし、1,700ccの車に8リットルものオイルが必要とは誰しも想像しません。もちろん僅かな誤はともかくなぜ3リットルも多く入れたのでしょう?
真相は定かでありませんが、他車にも同じ作業が行われていたら背筋が凍りつく思いです。
早速心当たりを点検するとスロットルボディーと吸気温度センサーがオイルまみれです。アイドリング不調やエンジンストールは、スロットルボディーや吸気温度センサーの汚れが引き金にもなります。
スロットルボディーとはエンジンに取り込む空気量をコントロールする部品で、本体中央のバタフライが開閉して空気の量を調整している部品
またアイドリング時はさほど空気を必要としないため、本体とバタフライの隙間は一ミリ程度しかありません。つまり僅かな隙間にオイルやカーボンが蓄積されると、空気の通り道がふさがれてしまいます。
ただ正常時でもブローバイガスにエンジンオイルが混ざるためスロットルボディーは多少汚れます。しかし今回は大量のオイルでエンジン内圧が上昇、想定以上にブローバイ経由でオイルが流入し空気の通り道をふさいでいた訳です。
そしてインテークマニホールドもオイルまみれで、吸気温度センサーは腰までオイルに浸かっておりました。その後全て洗浄ののち警告灯が消えたのは言うまでもありません
しかしオイル交換で警告灯を点灯させるとはいかがなものでしょう?車は走る凶器です。またエンジン不調は重大事故にもつながりかねません
事の真相は定かでありませんが、メンテナンスは信頼のおけるショップに依頼すべきです。