削り氷にあまづら入れて、新しき金鋺(かなまり)にいれたる
清少納言
かき氷の歴史は意外と古く約千年ほど前の平安時代から食されてました。古典文学では上の歌にある清少納言の枕草子に記述されております。
当時は金属製の器に刃物で削った氷を盛り、つる性植物から採取した甘葛(あまづら)という甘味料や砂糖蜜をかけて食べていたそうです。
また氷は厳冬期に出来た天然の氷を貯蔵して夏場に利用してたため大変貴重で、平安貴族にとっても最高の贅沢とされてました
そしてかき氷がようやく庶民の物となったのは明治時代になってからのこと。れまではボストン氷という天然氷をアメリカから半年掛けて輸入していたため高価でした
その後実業家の中川嘉兵衛が国産の函館氷を京浜市場に出荷する事に成功し、明治2年に横浜の馬車道で日本初の氷水店が開店たそうです。
その後、明治30年以降に機械製氷が主流になり、昭和初期には氷削機が普及して一般的な食べ物となったそうです。
さて話は移りまして、自宅から程近い製氷屋さんでは自社製氷した氷を使い秋のお彼岸頃までカキ氷を販売してます。
昭和の佇まいを残す風情あるお店で、現代流にアレンジされていないシンプルな味付けに懐かしさを感じます。そして幼少期のころ食べきれない大きさに見えたカキ氷も、今では手の平にすっぽりと納まり自身の成長をしみじみと感じました
中央左下に見えるのは七つ道具の氷ハサミと氷ノコギリ。無造作に置いてある商売道具も製氷店ならではの光景で一般の甘味処とは一味違う雰囲気を味わえます。